今村葦子作品の紹介 堀畑真紀子
絵本読み聞かせ 木村一恵
4月25日、絵本『みんな みんな いない いない ばあ』(いまむらあしこ 文・さいとうたかお 絵 あすなろ書房)が、熊本子どもの本の研究会開講式で産声をあげた。発売前の披露である。会場には六ヶ月の赤ちゃんとお母さんの参加もあり、二人を前にして、会員が読み聞かせをした。「いない いない」と言いながら頁をめくり、「ばあ」と声を発すると、赤ちゃんが笑う。周りの参加者も「ばあ」と思わず声を出し、赤ちゃんと一緒に「神話的時間」を共有する。日常における「神話的時間」、これが今村作品の特徴である。『ふたつの家のちえ子』は、作者の感性を育んだ熊本県球磨村での生活を描いている。ここに、今村作品の核がある。 (文責 堀畑真紀子)